MY邸新築 リポート
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■MY邸の新築 -基本計画・立案-
基本計画・立案□ 2013年9月-10月 □
小学生の子供がいらっしゃるご夫婦からの依頼を受け、新築住宅の設計に着手しました。
今回は特に、立地環境から家々の屋根越しに、立山連峰を望むことができるので、是非子供と山を望めるような部屋が欲しいと言うことでした。
その思いをプランに反映させるため、2階の子供部屋にロフトを設け、視界の開けるロフト窓から立山連峰を望めるように工夫しました。
ただ、立地予定の用途地域が、第一種低層住居専用地域だったため、北側斜線にこの計画建物の上部がかかり、ロフトを断念しなければならない可能性がでてきました。
しかし、北側部分は私道で、建築基準法上における道路とは認められない為だけで、実質道路であっても、隣地境界となり北側斜線の厳しい制約を受け、ひいてはロフトを断念することが理不尽に思いました。
そこで今回、天空率による北側斜線の緩和を受けるため、検討に入りました。
また、来年の消費税アップ前の契約と言うことで、今回は、9月中に契約を済ませています。
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■MY邸の新築 -詳細設計・プラン熟考-
詳細設計□ 2013年11月-12月 □
今回の案件は、来春の着工を予定しており、詳細にわたって、生活スタイル等からくるプランやディテイルなど、時間のある限り検討し、提案しています。
十分な時間がある場合は、ここでの作業を大切にし、よりよい設計につなげてゆきます。
検討できる時間を十分に確保し、住まう人の生活仕様を把握しながら、その家族のあらゆる生活シーンを思い浮かべ設計することが大切だと思います。
この様な設計スタイルを信条にしています。
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■MY邸の新築 -最終プランの決定と構造・取合いなどの確認-
実施設計□ 2014年1月-2月 □
詳細設計で積み上げたプランを元に、実施設計として、各仕上げ材(屋根材・外壁材・バルコニー仕上げ材など)や25年省エネ基準にそった断熱仕様など、諸仕様の確認、法的な確認および伏図を元にした構造設計など、設計段階における重要なポイントを決定し、施主様との間で確認を行いました。
この時に漏れなく配慮することで、次からの工程が円滑に行われます。
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■MY邸の新築 -地盤調査の実施-
地盤調査□ 2014年3月 □
新築予定地の地盤調査を実施しました。
建築予定建物の地縄を出した後、四隅と中央の5カ所において、スウェーデン式サウンディング試験を行い、現状地盤の状況を推定しました。
試験の結果、地表から2メートル付近までが自沈層を含む軟弱地盤であったため、地盤補強を実施することにしました。
これにより、地盤保証の対象としています。
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■MY邸の新築 -地盤改良の実施-
地盤改良□ 2014年4月 □
新築予定地の地盤改良を実施しました。
地盤調査の結果、地表面から2Mぐらいまでの軟弱地盤を補強するため、今回地盤改良を行いました。
地盤改良の手段として、表層改良やセメントや鋼管などの柱状改良などいろいろな方法がありますが、この現場においては、砕石パイルによるスクリュープレス工法を採用しました。
この工法の概略は、支持地盤または耐力が得られる深度までスクリュードリルで掘削し、そこへ砕石を投入しながら転圧します。
掘削箇所は、基礎底盤の形状や大きさに配慮しながら、設計によって設定されます。
均等に配置された、砕石パイルによって基礎底盤下に強固な複合地盤が形成されます。
まずは、建築地墨にそって、掘削ポイントを設計通りにポイントします。
掘削
スクリュードリルにより、掘削を開始します。
スクリュードリルを回転しながら地中に挿入し、
今回の現場では、約2M下の支持層まで掘削していきます。
砕石パイル形成
掘削した孔にすかさず50㎝程度づつ単粒砕石を投入し、専用の押圧パイプで強固に転圧します。
この繰り返しで、砕石パイル(砕石杭)を形成し、この現場では約30本の砕石パイルを構築しました。
砕石を強い力で転圧することで、それぞれの砕石が孔の側壁土に深く食い込み、支持層に到達した砕石柱と共に、複合地盤としての強い支持地盤を形成します。
地盤改良の完了
全ての砕石パイルを形成した後、地表面を整地して完了です。
この工法における更なる利点として、セメントなどの柱状改良と違い、その杭頭の高さ精度は要求されません。
なぜなら、砕石の集合体なので、基礎施工時に適切なレベルで上端を取り除くことができるからです。
そのため、基礎の施工などに自由度が有り、ひいては、精度の高い基礎の構築を容易にしています。
また、柱状杭はコンクリートや鋼材などの異物とは違い、砕石なので、環境にも優しいと言えるでしょう。
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■MY邸の新築 -基礎工事-
基礎工事・配筋□ 2014年4月 □
基礎工事に着手しました。
地盤改良によって形成した強固な複合地盤の上部に、ベタ基礎を構築します。
外周部の根切りを行い、防湿シートを設置します。
鉄筋を格子状に配置した後、外周部に鋼製型枠を設置します。
基礎工事・ベース形成
コンクリートを流し込み、ベタ基礎のベース部分を作ります。
この時、配管などの通る部分には、あらかじめスリーブ管を設置しておきます。
基礎工事・布部形成で完了
ベタ基礎の耐圧盤ができた後、布部分に着手します。
鋼製型枠を設置した後、バイブレーションで空隙ができないように配慮しながら、コンクリートを打設します。
ホールダウンアンカーは、コンクリートの打設前、あらかじめ適切な位置にセットしておきます。
また、均等に配置したレベルポイントに合わせてレベリング材を注入し、精度の高い基礎天面を作ります。
適切な養生後に脱枠し、今回の現場では、16日後の上棟に備えます。
丁寧で、正確な施工により、丈夫な基礎が完成しました。
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■MY邸の新築 -建て方・上棟-
建て方・上棟□ 2014年5月 □
建て方・上棟の日をむかえるにあたり、土台の敷き込みと、床下地板の仮設置を行いました。
土台を基礎に緊結し、剛床を構成する為の合板受けを設置した後、建て方時の足元の安全を確保するため、床合板を仮に敷設しています。
建て方・上棟
1階の各柱を所定の位置に設置し、仮筋交いで部分的に固定した後、桁や梁を取り付けていきます。
1階と同じく、2階の剛床を構成する為の合板受けを設置して、1階の軸組は完了です。
弊社では、丈夫でしっかりとした木造住宅を標準として、構造的なバランスや、荷重の伝達などに配慮して柱量やその位置、梁成などを決めています。
その結果、柱量が一般的な住宅の平均よりも3割から5割多くなっています。
建て方・上棟
2階も1階同様、床合板を敷設し、足場の安全を確保した後、2階の柱を立ててゆきます。
桁や梁を取り付け、ロフト部分を含めた軸組や、小屋組を構成してゆきます。
棟木を取り付けて、軸組工事はほぼ完了です。
建て方・上棟
軸組が完了し、屋根面を構成します。
屋根垂木を配置し、杉の屋根板を取り付けて建て方・上棟は完了です。
建て方は、その時の状況にもよりますが、概ね1~2日間で作業は終了します。
この後、本筋交いや耐震金物などの各金物の設置、剛床用合板の基準に合った本固定など、各作業を経て、軸組は丈夫な構造体になってゆきます。
弊社では、構造強度に影響する各金物の設置について、構造計算にもとづき、丁寧にそして、確実に行っております。
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■MY邸の新築 -屋根瓦葺き工事-
屋根瓦葺き工事□ 2014年5月 □
建て方・上棟が無事完了したので、屋根工事を進めて行きます。
降雨によって内部を濡らさないようにするため、上棟時の屋根下地が終わり次第、屋根の仕上げを行います。
本物件では、瓦葺きとして仕上げました。
もちろん全数釘打ちとし、また、防災瓦仕様により上下の瓦のフックと受けが嵌合し、堅固な屋根仕上げになっています。
これにより、地震時の揺れや、台風時などの強風によるめくれを防止しています。
天窓周辺など、雨水の処理には念入りに施工し、雨水の浸入を完全に防いでいます。
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■MY邸の新築 -防蟻・防腐処理工事-
防蟻・防腐処理工事□ 2014年5月 □
地上から1m以内の範囲において、木部への防蟻・防腐処理工事を行いました。
ベタ基礎で、土台や大引に桧、柱に杉を用いながら、三井化学グループで研究・開発された、安全性の高いミケブロック乳剤を使って、防蟻・防腐処理を行いました。
耐腐朽・耐蟻性の高い桧を用いながらも、桧の辺材部分への対策として、薬剤処理を行っています。
ただし、用いる薬剤は、シックハウスなどへの配慮から、十分に吟味し選択しています。
今回用いた薬剤は、三井化学アグロのミケブロック製剤で、VOCを最大限削減した限りなく水ベースに近い普通物で、主成分は蒸気圧が極めて低く、揮発しにくいので、散布後の室内への侵入はありません。
弊社では、安全性を一番に考えながら、建物の耐久性にも十分に配慮しています。
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■MY邸の新築 -断熱工事-
断熱工事□ 2014年5-6月 □
本現場における、断熱工事を実施しました。
平成25年の改正省エネ基準を踏まえながら、現段階においては、温熱環境等級4(省エネルギー対策等級4)を指標として取り組みました。
床断熱には、発泡系の断熱材を用い、床合板固定前に、隙間なく丁寧に敷き詰めしました。
また今回、屋根裏天井面や壁面に関しては、現場での、吹付硬質ウレタンフォームによる、充填断熱工法を採用しました。
この工法を採用した理由は、断熱性能の高さと、気密性にあります。
また、透湿性も小さいことから、内部結露の心配もありません。
水を使った炭酸ガスによる現場発泡は環境にも優しく、精度の高い断熱施工が可能です。
もちろん、自然素材を推奨する弊社において、断熱材からのシックハウスにかかわるホルムアルデヒドやVOCなどの化学物質が含まれていないことを確認しています。
弊社で使う硬質ウレタンフォームは熱硬化性プラスチックで、300度から400度で固体燃焼し、炭化することで、一気に燃え上がることはありません。実際には、石膏ボードの内側にあるので、さらに安全と云えます。防火性能として、外壁の30分防火と45分の準耐火構造大臣認定も受けています。
弊社では、屋根下地裏面に通気路を確実に確保するため、断熱材吹付前に仕切り板を設置しています。
また、熱橋部分となる構造金物にも断熱材を吹付(写真内赤○)、建物としての断熱性能を向上させています。
現場吹付によって、一体的な断熱層を形成することで、隙間がなくなり、気密性が高まることで、断熱性能が向上することはもちろん、遮音性にも効果があり、外の音は入りづらく、内の音も漏れにくくなりました。
結果、レベルの高い温熱環境が形成できたと思います。
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■MY邸の新築 -外壁工事-
外壁工事□ 2014年6月 □
屋根などに十分な養生を施した後、外壁工事を実施しました。
通気胴縁、金具留め工法による、16㎜厚のサイディング貼りを採用しました。
施主様との打合せの中、十分な色の検討を行い、満足のいく外観配色になりました。
下がり壁の下端部を一般的な平板貼りで構成するのではなく、役物のコーナーサイディングで納めることにより、視覚的にレベルの高い外観を表現しています。
妥協を許さず、細部にまでこだわった施工に取り組んでいます。
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■MY邸の新築 -内部木工事-
内部木工事□ 2014年5-7月 □
建て方以降、構造軸組工事の完了後、内部の造作工事を進めてきました。
各下地工事を含め、天井にはじまり、床、窓、建具枠、壁などの造作工事を行い、その間、水廻りの設備機器や、電気配線、固定家具などの諸工事を適切なタイミングで実施して行きます。
壁紙や塗り壁など、壁仕上げを行う下地が整えば、内部木工事は完了です。
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■MY邸の新築 -内装仕上げ工事-
内装工事□ 2014年8月 □
いよいよ工事も大詰めを向かえ、内装工事に着手しました。
リビングやダイニングには、左官によって、珊瑚の壁を施工します。
壁材としての珊瑚を、十分に用いることで、家具などから発生する揮発性化学物質を吸着し、調湿や消臭など、珊瑚ならではの効果を十分に発揮してくれます。
自然素材としての珊瑚によって、より良い空気環境が構築され、住まう方の健康に寄与できると思います。
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■MY邸の新築 -外構・設備設置工事で完成-
外構・設備設置で完成□ 2014年8月 □
内装工事が完了し、外構および各設備機器を設置して完成です。
内部のクリーニング作業をすると共に、各設備を試運転し、問題のないことを確認します。
カーテンやブラインドなどの附帯設備を取り付けて、いよいよお施主さんに引き渡しです。
全ての作業を終え、お施主さんにも、たいへん喜んでいただけた工事ができました。
お施主さんとともに、この家の新しいストーリーがはじまります。
これからも更に、お施主さんとの絆が深まって行くと思います。